「プレ素」2回目の「音楽会」
昭和56年(1981年)卒 小穴 雄一

Plectrum Society
Mostly Mandolin Original Program

「プレ素」2回目の「音楽会」

1部
 「ニ短調の序曲」(S.G.ファルボ)
 「雪」(H.ラヴィトラーノ)
 「笛の調べ」(V.ビリー)
 「シェナ」組曲(V.チェライ)
2部
 「女の手管」序曲(D.チマローザ)
 「卓上の音楽」(K.ヴェルキ)
 「スペイン」組曲(C.マンドニーコ)
 「ある貴紳のための幻想曲」(J.ロドリーゴ)
ギター独奏 尾尻 雅弘

指揮
 1部 久保 光司、2部 小穴 雄一

平成19年4月15日(日)
13:30(開場)14:00(開演)

第一生命ホール(晴海アイランドトリトンスクエア)
〒104-0053 東京都中央区晴海1ー8ー9
都営地下鉄 大江戸線「勝どき」駅A2a出口(徒歩8分)
料金 2,000円
チケットのお申し込みは、団員または下記へお問い合わせください。
株式会社イケガク 03-5952-1391 http://www.ikegaku.co.jp/

早いもので、「プレクトラム・ソサエティ(プレソ)」が発足してから、1年がたちました。第一回目「はじめの一歩の音楽会」が昨年の5月14日でしたが、あれから毎月参集しては合奏したり親睦を深めてまいりました。2月には八ケ岳山ろくのペンション「ふぁみりぃ」で、ささやかな音楽会を開催。心を込めて演奏しました。冬の山のひきしまった空気にマンドリンの音が心地よく響いて、とても幸せなひとときでした。そう、プレソは「響き」を追求しています。マンドリン合奏ならではの独特なサウンド、その多様な可能性を探求しています。

このたび、「第2回目の音楽会」を催すことになりました。4月15日場所は「第一生命ホール」(最寄駅大江戸線「勝どき」徒歩10分)です。プログラムは、前回と同様、1部はイタリアのオリジナル作品を中心にとりあげます。幕開けは、オリジナル定番の「ニ短調の序曲」(ファルボ)。勇壮な第一主題と叙情的な第二主題が対照的。プレソのニ短調は気のせいかゆったりしています。演奏効果をあげるため、作曲当時の編成スタイル(両翼にマンドリンを配置)で臨みます。2曲目はラヴィトラーノの「雪」。懐かしい曲ですね。荒れ狂うような吹雪が舞う様子はボレロのリズムで表されます。やがて雪はすっかり止んで、しーんと静まり返ります。この情景はマンドリン合奏ならではの世界。続いてビルリの「ザンポニャータ」。めったに演奏されませんが、バグパイプの羊の皮の袋を絞りながら、やかましく鳴る通奏低音が特徴、その上にひなびた愛らしいメロディが奏でられます。1部の終曲はチェライの「シェナ組曲」。これは大作です。どこまでも拡がるような、のびのびとした旋律が印象的な1楽章、神秘的で憂鬱な2楽章、そして街じゅうを駆け巡る競馬を表した、けたたましい終曲。ということで、圧倒的に締めくくります。1部はイタリアのトレモロを中心に、やや重厚な響きを、2部ではピッキングを中心に「響き」の世界を追及します。「女の手管序曲」(チマローザ)、いかにもタイトルがごつい感じですが、チマローザならではの軽快な作品です。オリジナルではありませんが、イタリアでマンドリン合奏用に出版されたものですので、準オリジナルといってもいいでしょう。2曲目はヴェルキの「卓上の音楽」。原曲にはアコーデオンやブロックフリュートなどが加わるようですが、プレソは弦楽バージョンで演奏します。ピッキングの乾いた響きがあたり一面に染み渡ります。3曲目はマンドニーコの「スペイン組曲」。これもピッキング中心の曲で、スペイン特有のリズムとイントネーションがじつに楽しい曲です。3曲から成っていますが、真中の曲が一風変わっていて、スペインというよりはジャワの音楽のように聴こえます。リズムをつかむのがたいへんで、とても苦労しています。終曲は、昨年にひきつづきギターソリストに尾尻雅弘さんをお迎えして、ロドリーゴの「ある貴紳のための幻想曲」を演奏します。ロドリーゴは、遺族の意向で、なかなか編曲させてもらえないのですが、今回は特別に許可をいただきました。スペインの古い伝承音楽を近代的な語法で彩ったもので、音楽とは対話のようなものですが、ギターと合奏の掛け合いは、まるでお遊戯のよう。というわけで、盛りだくさんな内容になってしまいました。

プレソの特徴は、練習によく集まるということと、毎回のように飲むことかもしれません。初回お越しいただいた方は、1年たってどんなふうに化けたか、そう、はじめの一歩の音楽会はまだ、集まったばかりでした。1年たっても、それほど変わらないかなぁ?メンバー同士の距離が縮まったことだけは確かなことだと思います。ときおり、肝心な「響き」をつい忘れて、単に気持ちよく弾いてしまってはいないか?とそのように感じることがあります。最終段階で、そのあたりをもういちど見つめなおして本番に臨みたいと思っています。

「プレソ第2回目の音楽会」、どうぞご期待ください。