譜面の整理
大竹 広明(昭和 44 卒 OB)

大学 3 年の時、譜面係を命じられた。演奏会用の楽譜を揃えたり、服部先生からいただいたスコアをパート譜に書き写す係だ。
三田の部室には書類ロッカーにあふれるほどパート譜が押し込められて、いざこの曲をと言われても探すのに一苦労。そこで代々の譜面係が果たせなかった楽譜の大整理に取り掛かることにした。
まずは図書館の書籍分類番号を真似て、KMC の所有する楽曲をナンバーで管理する事から始めた。
全曲に数字 4 桁を割り振り、1 桁目をマンドリンオリジナル曲とかクラシックなどのジャンル別、2 桁目は作曲者や形式、国などに分類、3、4 桁目は曲の番号とした。
休みの日にロッカー内の楽譜をすべて家に持ち帰り、10 名くらいの賛同者が集って、楽曲ごとに大型封筒に詰めなおす作業を行った。その当時の記録を見ると、461 曲が分類整理されたことになる。
皆の協力で番号順にきれいに封筒詰めされた楽譜ロッカーは一目瞭然、効率よく望みの譜面を取り出すことができるようになった。
この方法は使用した後、再びもとの保管場所に返すことが鉄則だが、1 年ごとに係が変わる部活では、多分整理が不十分で元に戻ってしまった事だろう。
今はどんな整理をしているのかわからない。IT 時代、私にはうかがい知れない方法で管理されているのかもしれない。

譜面係としてもうひとつ熱意を持って仕上げたことがある。
ある時、服部先生から次回定演の演奏曲として「蝙蝠序曲」のスコアをいただいた。大好きな曲のひとつだったこの曲を演奏できるとあって胸が躍り、なんと一晩でフルートやクラリネットまで全パート譜を一人で書き上げてしまった。
次の練習日、あの心ときめく旋律が会場に流れたとき、私の心も舞い上がったことは言うまでもない。